アウトドア(野外教育)×●●●●=で豊かな心を育む活動を実践する かとQのBlog

群馬を拠点に活動している民間の自然学校(チャウス自然体験学校・NPO法人チャウス)の代表をしています。自然体験活動を軸にしたエコツアー、子育て支援、持続可能な地域づくり(ESD)、防災教育などの発展的な活動を展開しています。そんな日々雑感を中心に綴っています。

「キャンプとSDGs」を考える

日頃、キャンプインストラクター(指導者養成)事業でお世話になり、理事も務めさせて頂いてる、栃木県キャンプ協会が設立三十周年を迎え、先般、記念誌を発行されるとのことで、コラムを寄稿させて頂きました。

 

にわかに世間が騒ぎ始めた「SDGs」と「キャンプ/自然体験」の関係性や、今後の動向について書かせて頂きました。ご覧ください。

 

「キャンプとSDGs

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 昨今、私達の暮らしている社会環境や自然環境は30年前では考えられないほど、劇的に変化しました。「携帯電話は1人一台」「インターネット・IT技術の普及」「オール電化住宅」など、益々便利な世の中になり、また、地球温暖化に起因すると言われている「気温の上昇」「気象の変化」「災害の多発」など自然環境も大きく変わりつつあります。
それらの事柄は今もなお、絶え間なく変化しつづけ、私達の暮らしに影響し、社会問題へと発展してきているのではないでしょうか?
 国連は2015年に「人類と地球、持続可能な繁栄のために2030年までの行動計画」として『持続可能な開発目標(SDGs)』を採択し、世界各国ですでに取り組みが始まっています。これは「誰一人取り残さない」を理念にし、「貧困をなくそう」や「ジェンダー平等を実現しよう」、「つくる責任、つかう責任(持続可能な消費と生産)」など17の目標(持続可能な開発目標)と169項目のターゲット(具体目標)を掲げています。

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それでは、「SDGsがキャンプ活動にどの様に関連付けられるのか?」考えてみましょう。
例えば「魚のつかみ取り~魚を捌く~魚を食べる」一連の活動を通じて、

  • 魚のつかみ取りは「生き物を直接触る体験(ふれあい・観察)」
  • 魚を捌くは「生き物の身体の構造を知る(観察・解剖)、魚を三枚におろすことが出来る(調理)」
  • 魚を食べることは「生き物の命を頂く(私達が生かされていることに気づく)、食べ物を残さず食べる」

この様にそれぞれの活動には「伝えたいこと(学習目標)」があり、これを『体験的に、総合的に学ぶこと』を私達キャンプ指導者は『キャンプ活動』とし、これまで活動を展開してきたかと思います。
SDGs」はこれに特別、大掛かりなものを加えることではなく、これまでの学習目標を「SDGs17の目標」に関連づけさせる(置き換える)ことで、『SDGsプログラム』として展開することが出来ます。

 

①『学び・気づき』のプロセスを大切にすること
活動目的・目標をもって「体験→ふりかえり→何が起こっていたのか?分析・理解」を繰り返す中で「もう一度体験・チャレンジすることで→新たな学び・気づきがあり→成長・発展」につなげる。


②参加者(体験者)が『能動的に学ぶ場』を創り、支援すること
参加者自ら進んで体験に参加したり、参加したくなる雰囲気を創る。また、更に学びが継続的に深くなる様に発達段階に応じて支援をする。


③『学び方を身に付けさせる教育(ESD)』で互いに学び合う
これまでの「1+1=2」と言うような答えや、やり方を教える教育ではなく「何をどの様にしたら答えが出てくるのか?」を、参加者(体験者)が主体的となって、他人と協力しながら問題解決能力を身につけられるように、プログラムをデザインする。

 

 上記の3つのポイントに留意することで、「キャンプ活動」を、『未来志向型の人財育成プログラム』として、2020年に学習指導要領が改定されるのに伴って導入される『アクティブ・ラーニング(能動的学習法)』へ発展的につなげることが出来ます。
また、近い将来、起こりうるとされる「人口減少」「働き手の減少」などの困難な社会問題の解決に『SDGs』は必要不可欠となり、私達(キャンプ指導者)の地域社会での役割は高まり、重要な存在となるでしょう。

 

  【201810】

 

 

 

 

 

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